3行紹介
①タバコは精神力で辞めるのではなく、「タバコをなぜ吸いたくなるのか」「タバコを吸うメリット・デメリット」という方向から考える禁煙セラピーで、タバコは誰でも簡単に辞められる。
②タバコを吸うことに利点は1つもない。なのにタバコ吸っている真の理由は、「ニコチン中毒」と「洗脳」である。
③タバコを吸いたくなる理由を理解し、「減煙しない」「代用品」を使わないなど、本書による指示をしっかり守れば、タバコの奴隷生活から解放され、生活全体を楽しめることになるだろう。
文章チェック
・タバコはただの習慣に過ぎないと思っているあなた、思い込みを捨てなさい。他の習慣なら楽しい習慣でも簡単にやめられるではありませんか。それなのに、ひどい味がして、お金がかかって、人間を死に至らしめる習慣をやめるのがどうしてそんなに難しいのでしょうか?
禁煙セラピー(2014).Allen Carr(著)、Arcturus Publishing
・喫煙は一種の麻薬中毒です。一本のあと、もう一本吸ってしまいます。こうして喫煙者に逆戻りするのです。
・タバコは何の役にもたたない。これは素晴らしい事実です。タバコには利点より欠点の方が 多いと言っているのではありません。タバコには利点など一つもないということなど、吸っている人でもわかっていますよね。ただ一つ利点があるとすれば、それはつきあい上の助けになるということでしょうか。しかし最近では喫煙者の間でさえ、タバコは非社会的と見なされるようになってきました。
・喫煙とは本当に不思議な行為です。ただ他の人がそうしているというだけの理由で吸い始め、吸い始めた誰もが「こんなもの時間とお金の無駄だ、始めなければよかった」と悔やんでいます。
・喫煙者がタバコを吸い続ける真の理由は次の二つです。
① ニコチン中毒
② 洗脳
・タバコを一服するごとに肺から脳へ少量のニコチンが運ばれますが、そのスピードは血管に注入されたヘロインよりも速いのです。一本のタバコで二〇服すると、たった一本で二〇回分の麻薬を摂取することになります。ニコチンの反応速度は速く、血液内のニコチン量は喫煙三〇分後には半分に、一時間後には四分の一に落ちます。したがって、ほとんどの喫煙者が一日二〇本吸うというのも計算が合っているわけです。
・タバコは習慣ではありません。タバコを吸い続けるのは体の中に住み着いた小悪魔のせいです。小悪魔にはときどき餌が必要です。いつ餌をやるかは喫煙者自身が決めるのですが、だいたい次の四つのどれか、またはその組み合わせのときです。 「退屈しているとき」または「集中しているとき」 「ストレスを感じるとき」または「リラックスしているとき」
・ニコチンは麻薬であるだけではなく、強力な毒物でもあり殺虫剤にも使われています。タバコ一本に含まれるニコチンを直接血管に注入することで人間を死に至らしめることもできます。またタバコには一酸化炭素をはじめいろいろな毒物が含まれています。だからといってパイプや葉巻に切り替えようなどと考えないこと。本書の内容はタバコの葉を使ったもの全体に当てはまります。
・依存するまでのスピードで言うと、ニコチンは世界で一番強い麻薬であるにもかかわらず、悲惨な依存症にはなりません。体内のニコチンの九九パーセントを排出するのには三週間しかかかりません。また肉体面での禁断症状も非常に弱く、喫煙者のほとんどは症状に気づかないですむぐらいです。
・ただタバコは神経を破壊するだけで決してリラックスなどさせてはくれないという事実を強調したいだけです。
・禁煙すると集中力がなくなるといいますが、これはニコチンによる肉体上の禁断症状ではなく、タバコが引き起こす不安定感が原因なのです。
・よく覚えておいてください。タバコは空虚感を満たしてはくれません。タバコが空虚感を作り出すのです!
・私個人は禁煙から得られるものは精神的なものだと思っています。たとえば、
① 自信と勇気が戻ってくる。
② 奴隷的生活から解放される。
③ 世の中の半分の人から、そして自分自身からも軽蔑されているという思いで心の奥に暗い影を背負って生きていかなくてすむ。
・つまり最初の一本を吸わなければいいのです。もし最初の一本を吸ってしまえば、その一本の値段は三〇〇万円です。
・喫煙すると肺だけでなく、体中の血管もニコチンや一酸化炭素などの毒素でふさがれていくので、酸素や栄養素が全身にいきわたらなくなります。そのため日常の行動の機能は下がり、無気力感が増していきます。また、病気への抵抗力も落ちていきます。
・「ちょっと一本ぐらいなら……」これもあなたの心から拭い去られるべき神話です。もともと喫煙を始めたのも、一本のタバコからではなかったですか?
・よく頭に叩きこんでください。喫煙の「習慣」なんてものは存在しません。喫煙は麻薬中毒症なのです。人間の体は禁断症状に耐えるより、禁断症状を緩和することを求めようとします。体が麻薬に対する免疫をつけていくほど禁断症状は強くはなっても減ることはありませんから、中毒症を現在のレベルに保つだけでも強い意志と鍛練が必要ということになります。そしてこの麻薬は体と心を破壊し始め、神経系統も勇気も自信も破壊するため、一本一本の間隔が短くなるのに耐えることができなくなるのです。
・禁煙を簡単にする鍵は、まず「離脱期間中(長くとも三週間)は完全にタバコを断つ」と強く決心すること。そのときの気の持ち様が正しければ禁煙は馬鹿らしいほど簡単なはずです。
・禁煙の失敗にはおもに二つの理由があります。 一つは、周りの喫煙者からの影響です。弱気になっているときや社交の場で誰かがタバコに火をつけたときの対処法はすでにたくさんのページを割いて説明しました。自分はタバコの鎖を断ち切ったという事実を喜ぶのでしたね。吸っている人はあなたのことをうらやましがるでしょうし、本当のところ彼らこそ、あなたの憐れみを必要としているのです。
・「今日はあまりいい日じゃなかったけれど、タバコを吸ってもそれでよくなったりはしないさ。あしたはいい日になるだろう。少なくとも今の私には、あの忌まわしいタバコを捨てた、というボーナスがあるんだから」
・一本目のタバコが体内にニコチンを注ぎ込み、火を消したときには心の奥でこんな声がしてきます。 「もう一本吸いたいだろう」 そのときあなたに与えられた選択肢は、しばらくの間惨めな気分でがまんするか、あの不潔な連鎖行為をもう一度始めるか、どちらかです。
読書感想文
とにかくタバコが辞められない。
正直、本書を読むのも10回目に近いくらいだ。
最初は書籍で1回読んでは捨てを3回程繰り返し、面倒なので電子書籍を買ったくらいだ。
電子タバコだから紙タバコよりましだとは思いつつも、電子タバコの本数も着実に増えている。
今では1日1箱くらいのペースとなっており、月に換算すると1万5000円くらいになってしまう。
正直、現在は無職なので1万5000円はでかいと思いつつも、辞められない。
禁煙外来に1回行ったものの辞められない。
本書を読んで禁煙にチャレンジしても、1日と持たない。
そんな自分に本日辞めるチャンスが訪れた。
午前2時過ぎ頃に、胃痛で救急車を呼び緊急外来を受診したのだ。
今も胃がシクシクと少し痛み、タバコの煙でむせ返ってしまう。
とりあえず、エコー検査だのレントゲンだのを取ったが異常は無く、大事には至らなかったが、最近ホントにタバコの量が倍くらいに増えたので、勝手にそれが原因なのではないかと感じている。
本書で言うところの、タバコを吸うことで、導火線に火が付き爆弾がいずれ爆発する兆候なのではないか…
こうなったら辞めるしかないが、禁煙という響きが重圧に感じるので、「自分はタバコを休んでいる」と思うことにした。
所謂、上岡龍太郎さんが神棚にカートンのタバコを置き、「俺はいつでも吸えるだから、今吸う必要はない」という思考回路だ。
とにかく、
①ニコチンの禁断症状は軽く、タバコを吸わないことは簡単だ。
②タバコはデメリットしかない。
③集中力はタバコを吸っても高まらない、タバコが不安を生み出す。
上記の3点を改めて頭に入れて、タバコを休もうと思う。
自分の家には神棚はないが、電子タバコ本体は取っておこう。
タバコを吸ったとしてもプラマイ0なんだし、気軽にタバコを休んでみよう。
こういう思いをブログに書き殴られるから、ブログは最高だ。
<追伸>
著者のアレンカーさんへ
自分はあなたの禁煙セラピーではタバコを辞められませんでした。
自分は新たな解釈を加えながら、禁煙セラピーの向こう側へ行ってきます。
そんな不出来な読者ですが、この本に会えただけでも幸せです。
ありがとうございました。
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