3行紹介
①生きてく上で、心を強くもっていられる「真の図太さ」を禅僧から学ぶことができる。
②本書でいう「真の図太さ」とは、無神経な人という意味ではなく、苦しいことや落ち込むこと、批判的な周囲の声に対して、たくましく、しなやかに生きる意味での図太さである。
③日々の暮らしの中で、本書に書かれていることを少しずつ実践することで「真の図太さ」を育てることができる。
文章チェック
・禅僧といえども、相手の言動にカチンとくることはあります。そんなとき、 板橋禅師は深い呼吸を数回して、「ありがとさん」を三度心のなかで唱えるのだそうです。 すると、怒りの感情はふーっと鎮まってしまうというのです。
傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考(2017).枡野俊明(著)、文響社
・自分の長所には敏感に、短所には鈍感になる。
・「運勢という字は『勢いを運ぶ』と書きます。つまり、運勢は勢いなんです。運勢をよくしたいと思ったら、なんでも勢いよくしましょう」
・結果はあくまであとからついてくるものであって、けっして自分から求めるものではないのです。 どんな人でも、自分の力で結果をコントロールすることはできません。そのことに気づいてください。すると、仕事でいえば、目の前にあるその仕事に、真っすぐな心で全力投入することができます。
・はっきりいいましょう。世の中に思いどおりにいくこと、思いどおりになることなど、滅多にないのです。それにもかかわらず、思いどおりにしようとするから、やっかいなことになるのです。
・「諸法無我」これは仏教の根本原理をあらわす言葉です。その意味は、この世に確かな「我」などというものはない。あらゆるものはかかわり合いのなかで存在しているのだ、ということです。
・「随処作主 立処皆真」どんなところにいても、どのようなことに対しても、自分が主体となって一所懸命にやれば、そこには本来の自分があらわれる、という意味です。
・禅の考え方からいえば、落ち込んだときにすすめたいのが身体を動かすことです。なかでも「掃除」がいちばん。 一所懸命に身体を動かしていると余計なことを考えずにすみます。
・損得にこだわると、心は窮屈になります。ですから、同僚の仕事ぶりがいちいち気になったり、その評価に気をもんだりするようになるのです。しかし、損得を超えたら、心は伸びやかに、しなやかになります。仕事でも人づきあいでも、おおらかにできるようになるのです。ぜひ、縁を活かしきってください。
・「悟無好悪」あるがままを、そのままに認めれば、好きも嫌いもない、ということです。嫌だ、合わない、と感じるのは、自分のほうに「こんな性格だったらよいのになぁ」「こうであって欲しい」という相手への思惑があるからでしょう。
・怒っている相手と同じ土俵に上がらない。
・大切なのは「いま」というその瞬間のみであり、それは過去を引きずってもいないし、未来に繋がってもいないということでしょう。人は過去、現在、未来という時間の流れのなかで生きています。しかし、たったいま生きているのは、まぎれもなく現在です。その現在は過去の後でもないし、未来の前でもないのです。
・もちろん、人生には怒るべき「ここ一番」という場面もあると思います。そこでは怒ればいいのです。ただし、感情的にではなく、理性的に怒ってください。そのためには、自分の正当性と相手の不当性を、じっくり、じっくり吟味することです。
読書感想文
禅の思想は世界に評価されている思想である。
インターネットが発達し、一昔前とは比べものにならないくらいの情報を浴びる様になり、SNSの「いいね」や誹謗中傷など、自分を周囲の情報から身を守る為の手段(態度)として、自分は禅の思想が世界から求められる様になったのではないかと個人的に推測している。
また、「いま」に集中するのも一昔前よりも難しくなっていると思う。
スマートフォンからの通知や連絡、返信が遅いやつは仕事ができないという迷信、動画はショート動画が見ようと思えば絶え間なく押し寄せてくる世の中だ。
そんな世の中に自分はちょっと疲労感を感じていた。
うつ病になってからは、できないものはできないと割り切って、返信も1週間以上も返さないというのはざらになった。
少しずれるかもしれないが、本書でいうところの、
「自分の長所には敏感に、短所には鈍感になる。」
病気である自分には早いレスポンスはできない、短所と割り切ったからかもしれない。
うつ病が酷くなると自分の生活のほとんどが止まってしまう。
しかし、うつ病になって良かった点は、否が応でも思考が加点思考になってしまうことだった。
基準の部分が何もできないということなので、お風呂に入れたとか、三食しっかり食べれた、朝は早く起きれたいう健常者には当たり前のことも、プラスに加点されるので、日々に満足感を感じることが多くなった。
加点思考で生きることは減点思考で生きるよりも、幸せかは分からないがストレスは少ない。
もし病気が治ってもこの加点思考の習慣だけは図太く持っていきたいと思う。
反省さえしっかりできれば、どんな困難や失敗も、自分の人生にプラスでしかないと思うからだ。
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