先日、東京都が運営している多重債務者生活再生事業の相談窓口へ行った。

東京都では飯田橋駅の直結ビルの中に相談の窓口はあり、予約した時間に行くと、例によってセンシティブな相談からか、半個室のブースに通される。
この窓口では、多重債務者に対して、家計の相談、債務整理や貸付などの対応を無料で行っている。
そして人生において1回限り、この制度で借入ができるとのことだ。
自分は債務整理は考えておらず、現在3社ある借入を安い金利で中央労働金庫にまとめて借りかえを行うことを目的として来所した。
この中央労働金庫というのが、都の事業とのこともあり破格の3.5%という金利の安さだ。
自分がしている借金が15%なので、4分の1の金利になる。
窓口に到着すると、明るい雰囲気の女性がやってきて書類を3枚書く様に案内される。
内容としては、1枚目が名前や住所・世帯などの基本情報、2枚目が現在借入しているところの内訳、3枚目が家計の収支を書く書類だ。
結構なボリュームだったがひとまず、解るところだけ項目を埋めていく。
事前に資料を用意していたこともあり、大体30分程度で書き終わった。
先ほどの女性が到着し、書いた書類を見せる。
早々に貸付の話になると思ったが、「職歴はなにをしてきたか?」、「借金をいつからしたか?」「東京には何年住んでいて、今の住居はいつから暮らしているか?」など、結構遠回りの質問から話は始まった。
借金の歴史を語るが、長く借金をしていると記憶は正直あいまいな部分が多く、ざっくりした感じで答えた。
そして1時間程度の質疑応答があった後、ようやく貸付の条件の話になる。
自分の様に「債務の借り換え資金」の貸付をする場合の条件は、
①東京都内に1年以上住所を有する方
②勤続年数が6か月以上の方
③課税所得が世帯で600万以下の方
上記3点がHPに記載されている。
※詳しくは記事下の東京都生活再生相談窓口HPを参照
上記はパスしていたので安心していたが、家計の収支を書いた紙を確認し、まとめの借り入れをした後での返済する原資が少ないことを指摘された。
まあそこは当然といえば当然だが、結論からいうとそこで中央労働金庫に審査されるまでもなく、窓口で借入はできないと判断が下された。
正直、収入は給与明細を見せるのでどうしようも無いが、支出は自己申告でしかないので、正直に書いたことを後悔する。
それに加えて、連帯保証人も必要になるが、その条件が非常に面倒なものだった。
まず借入する本人だけではなく、連帯保証人の源泉徴収票・3か月分の給与明細・課税証明書が必要になることに加えて、連帯保証人も含めて相談窓口に一度来所し、そこで弁護士との面談をした上で、そこで東京都生活再生相談窓口の審査をパスする。
さらにそこから連帯保証人も含めて、中央労働金庫の市ヶ谷支店へ行き、ようやく審査の申請ができるということだ。
また同棲している彼女がいる場合は、世帯が一緒と計算されて、家計表も世帯全体のものが必要になる可能性があると言われる。
「それならそうと電話の段階で言ってくれよ」と正直軽く苛立ちを覚えたが、ルールはルール、役所仕事はそういうものだと諦めるしかない。
追い打ちをかける様に、「家賃を安いところに引っ越すとかして、収支が改善できれば…」と言われるが、引っ越しの初期費用とかでさらに金を掛けることを勧めるってどういうことなのだろう。
そこは、不思議な世界に迷い込んだと自分を納得させることにした。
最後に「この制度って結構面倒ですけど、どれくらい審査通ってます?」と聞いたところ、やはり自己破産や債務整理はともかく、貸付だけだとほとんど通っていないとのことだった。
収入を増やして、世帯の家計収支表を作成し、連帯保証人の書類とスケジュールを押さえるという流れで、再度申請のチャレンジはできるが、それだったら金利は少し高くなるが中央労働金庫にストレートにおまとめローンを申請した方が早いかなと自分の場合は思う。
中央労働金庫のおまとめローンは大体6~7%台で高くなるが、申請できる勤続年数ももうすぐ1年でクリアできるし、そこまで面倒な手続きにはならないはずだ。
ひとまず本件は勉強になったと納得し、人生に1度きりの「多重債務者生活再生事業」の権利は使うかどうかもう少し考えてみようと思う。
<追伸>
「リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION」を聴きながら
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