【要約・感想】生き物の死にざま

目次

3行紹介

生き物の死にざま

①虫から哺乳類、あるいは家畜まで様々な生き物の死ぬまでの過程をオムニバス形式で描いた本である。
本書を読むと様々な生き物の雑学が得られる。
③また生き物としてどのように繁栄していくかの様々な戦略を、”死にざま”を通して学ぶことができる。

文章チェック

・セミは必ず上を向いて死ぬ。昆虫は硬直すると脚が縮まり関節が曲がる。そのため、地面に体を支えていることができなくなり、ひっくり返ってしまうのだ。

・じつは逃げずに動かないこのハサミムシは卵の母親である。母であるメスのハサミムシは、大切な卵を守るために、逃げることなくその場でハサミを振り上げるのである。昆虫の仲間で子育てをする種類は極めて珍しい。

・どうしてこんなに困難な旅をしてまで、故郷の川を目指すのか。そして、いつからサケたちはそんな一生を送るようになったのか。残念ながら、その理由は明確にはなっていない。

・地球に初めて誕生した昆虫は翅がなかったと考えられるが、カゲロウは、翅を発達させて空中を飛んだ最初の昆虫であると推察されているのである。それから三億年。カゲロウは現在も変わらぬ姿をしているのだからすごい。

・ただ実際には、カマキリのオスがメスに捕えられて食べられることは、さほど多くはないようだ。多くの場合は、オスはメスから首尾よく逃れて生き延びる。ある調査によれば、オスがメスにつかまる割合は一~三割程度だという。

・生物の進化を 顧みれば、オスという性は、メスたちの繁殖をより効率的に行うために生まれたと言われている。 「男」というのは、生まれながらにして悲しい生き物なのだ。

・タコは 無脊椎動物の中では高い知能を持ち、子育てをする 子煩悩 な生物としても知られている。

・クラゲの成体の寿命は短い。種類によって異なるが、長くても一年程度だろう。ところが、である。驚くべきことに、死ぬことのないクラゲが存在するという。ベニクラゲである。

・シロアリという名前であるが、実際にはアリの仲間ではない。アリは昆虫の中では進化したタイプであるのに対して、シロアリは、三億年前の 古生代 から今と変わらない姿をした「生きた化石」と呼ばれるほどの古いタイプの昆虫である。シロアリはゴキブリ目に分類されていて、アリよりもゴキブリに近い昆虫なのである。

・ハダカデバネズミには、さらに不思議なことがある。驚くべきことに、老化現象が見られないのである。そのため、その生態を解明することは、不老長寿の実現につながるのではないかと期待されている。

・シマウマなどの草食動物は、一回の出産で一頭の子どもを産む。しかし、ライオンは一回の出産で二~三頭の子どもを産む。たくさんの子どもを産むということは、ライオンの子どもの方が生き残る確率が低いということなのだ。

生き物の死にざま(2019).稲垣 栄洋(著)、草思社

読書感想文

本書を読んで男(オス)というのは生物学的に見て明らかに女(メス)を補完する存在でしかないことが分かる。

本書の例では、カマキリやチョウチンアンコウ、ジョロウグモが例として出てくる。
特にチョウチンアンコウのオスはメスの身体に同化し、内臓や眼を退化させながら精巣だけを発達し、繁殖する為だけの道具の様な存在となっていく。

作家の太宰治は、

「男女同権」とは、男の地位が、女の地位まで上がったことなのです。

太宰治

という言葉を残しており、女性からすると納得いかない人もいるだろうが、かなり本質を突いた言葉だろうと思う。

社会性を全部とっぱらって一生物としてみた場合、女性がメインで男性がサブということが、本書を読んだらよくわかる。

他にも、不老不死のクラゲや老化しないハダカデバネズミなど、知ってると面白い雑学がたくさんあり、文章も読みやすく面白い本だった。

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