【要約・感想】ざんねんなインターネット~日本をダメにしたネット炎上10年史~

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3行紹介

ざんねんなインターネット 日本をダメにした「ネット炎上」10年史

①本書は2010~2019年のネット炎上事件を紹介し、著者がそれに対してコメントを入れる構成になっている。
②本書にはネット世界の技術・法律・裁判判例などが紹介されており、その影響で日本が世界から遅れてしまったという例も述べられている。
インターネットの負の遺産から過去を振り返り、新しい物を生み出すツールとして役立つ本となっている。

文章チェック

・バカだから学べないのか、学ばないからバカなのかは不明です。 しかし、バカというのは「バカの先駆者」がやったことを学ばず、同じことをします。

・まぁ、人間社会で犯罪がなくなれば、ネットでもなくなるかもしれませんが。今後は高級マンションのように、一定の入会資格を持つ人だけを集めるクローズドコミュニティにして安全を確保する方向になるかもしれません。

・ツイッターでの炎上がどんどん増えたのには理由があります。そもそも、炎上という現象が生じるには「個人名」が出ていないと始まらないからです。

・若い人がそれなりに頑張っても、称賛ではなく「邪魔だからつぶす」という文化が日本にはあるような気がします。必然的に若い人は「頑張らないほうがいい」「目立たないほうがいい」という意識になってしまう。

・現在、仮想通貨に用いられているP2Pの技術は、基本的には金子さんが用いた仕組みと同じようなもので、そこにブロックチェーンという取引履歴を記録する情報を付け加えただけです。

・「間違って逮捕した側が咎められないと社会構造が変わっていかない」という部分まで描いてほしい、ということです。そうしないとたぶん社会は変わらない。

・僕はJASRACを本気で叩いている人や、転売ヤーを叩いている人を「基本的に構造がわかっていない頭の悪い人だな」と思っているのです。

・生放送のネタとして迷惑行為をしているとネット上で悪評もあったわけですが、選挙はマイナス票を入れることはできないので、悪評が5あったとしても知名度が 10 あったら当選しちゃったりするんですね。

・市場という〝植民地〟としては使われるものの、日本に本社を置いて日本に税金を納めるようなことにはなりません。これは日本にとって、損でしかない。

・プライバシーの侵害を問う声もありますが、破産した人が誰なのかわからないと「会社が取締役から外す」みたいなルールを遂行できなくなります。だから実は自己破産した人の情報を公開するのって社会のシステムとしては必要なのです。

・例えばフランスの場合、子供がお金を稼いだ際は法律上決められた口座に入れなければなりません。そして、大人になるまでの期間、毎月数百ユーロ程度しか引き出せない。これを破ると児童違法労働ということで捕まります。

ざんねんなインターネット~日本をダメにしたネット炎上10年史~(2023).ひろゆき(西村博之)、扶桑社

読書感想文

本書はインターネットの炎上(事件)を10年振り返り、それに対して著者のひろゆき氏がコメントをしていくという構成になっている。

1つ1つの事件のボリュームは短くポンポンと読み進められるので、読書テンポが心地いい。
また、「グルーポンのおせち炎上」、「ペニーオークション」、「WELQ問題」など懐かしい事件もあり、「そんなことあったなあ」と懐かしい気持ちになった。

自分はネットやらニュースには疎い方なので、知らない事件もあり、ちょっとした雑学や法律、ネットの技術面などは読んでいて面白く勉強になった。

その中でも自分が特に面白かったのが「破産者マップ閉鎖騒動」だ。

簡単に説明すると、「破産者マップ」とは官報への掲載された自己破産者の氏名や住所などの情報を、MAPで簡単に確認できる様にしたサービス(?)だ。

この「破産者マップ」により、自己破産の情報を公表されてしまった人からの訴訟で裁判になり、サイトが閉鎖してしまったのが事件の概要である。

自分が人生で一番後悔していることは借金のMAXで自己破産しなかったことである。
自分の中で自己破産は人生の若いうちに使いたいカードの1つだった。

自己破産のデメリット(職業・資格の制限や官報への掲載、ブラックリスト入り等)は正直大したことないなと思っていたし、クレジットカードを持てなくても決済手段なんていくらでもあるから困らないと思っていた。
※「若いうちに」というのは、若いうちの貧乏は耐えられるけど、歳を食ってからの貧乏は嫌という信条の為だ。

それに周囲にも自己破産を経験している知人はいたが、総じて楽しそうに過ごしていた。
結果として周囲からの圧力というもの屈してしまい、今はギリギリの生活で借金を返し続けているが、あの時に自己破産していたら、今の地点よりは少しは快適だったと思う。

自分の勝手な理論としては、若いうちに無理してお金を使った経験はプラスになるし、借金のデメリットも若いうちに体験しておいた方がいいと思う。(借金生活をある程度粘ってみないとデメリットは見えてこないとは思うが…)

良く大学を出たものの、奨学金の返済で生活が厳しいというニュースを目にするが、もし自分が大学生を今からやるなら、「信用」がある大学生の内に奨学金を借りるだけ借り、大学生活を満喫しながら何かにチャレンジをし、ダメだったら速攻で自己破産、からの就職活動というコースを選ぶだろう。

その「破産者マップ」は現在「新破産者マップ」として現在は復活している。

どうやらサーバーを海外に移した為、日本の法律では対応できない様だ。

そしてMAPに公表された情報はビットコインで支払えば削除できるという仕様になっている。
※削除したい情報によって6万か12万円のコースがある

もうほぼほぼ恐喝ではないかとは思うのだが、こんなサイトが今もまかり通っていることに素直に驚いた。

そういう感情の動きがあったという意味で、本書はいわゆるコスパが高い良書だった思う。

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